成年後見制度について
私たちは、自由で公正な契約社会に暮らしています。契約は十分な判断能力を備え適切な意思決定ができないと有効に結ぶことができません。
しかし、認知症の高齢者や障害を持つ人々の中には、こうした意思決定が困難で法的支援を必要とする人々も少なくありません。
この法的支援を、公的な監督という良質な安全装置付で実現するための制度が成年後見制度です。
制度を支える基本理念
成年後見制度は「ノーマライゼーション」「自己決定権の尊重」「身上保護の重視」という3つの基本理念のうえに構築されています。
ノーマライゼーションというのは、高齢になっても障害があっても共に暮らし共に生きる共生社会の実現をめざす考え方のことであり、
自己決定権の尊重は、判断能力が不十分であってもできる限り本人の意思を尊重しようとする考え方のことです。
最後の身上保護の重視は、財産管理だけでなく、誰もが自分らしく尊厳のある営みを続けることができるよう支援することを
重視しようとする考え方のことをいいます。
成年後見制度の種類について
成年後見制度には、契約で自ら支援者を選ぶ任意後見と家庭裁判所が支援者を選定する法定後見の2種類があります。
任意後見は法定後見に優先する仕組みが採用されていますので、任意後見を事前準備しておけば、法定後見は使わなくて済むようになります。