よくあるご質問

申立人となる人がいない場合はどうすればよいでしょうか?

身寄りの人がいないなどの場合、高齢者、知的障害者、精神障害者の方の支援・保護を図るため、特に必要があるときは、市町村長に申立権が与えられています。 ただし、2親等内の親族(配偶者、子、兄弟など)がある場合は、先ずは協力していただくようお願いしましょう。

後見人等にはどのような人が選ばれるのですか?

本人に対し、どのような支援・保護が必要かによって選ばれる方は異なります。親族間や第三者との間に争いがあったり、多額の財産を管理しつつ複雑な取引関係に入らなければならないような事情がある場合は、専門家が選任されることが多いと思われます。

複雑な問題がない場合は、親族の方(配偶者、子、兄弟、おい、めい)が選任されます。もっとも通常は、申立て時に後見人等候補者を立てた上で申立てをしますので、裁判所はその候補者が適切であるかどうかを先に審理し、不適切と判断すれば専門職の後見人を選任することになるでしょう。いずれにしても後見人等の選任は裁判所の専権事項です。

後見人等は何をする人ですか?

後見人等は、本人の生活など身の回りのことにも目を配りながら(身上保護)、本人に代わって本人の財産の管理、契約などの法律行為を行うことをその職務とします。食事の世話や実際の介護などをすることは、後見人等の職務ではありません。

また後見人等は、その職務の内容を裁判所に報告する義務があり、裁判所の監督を受けます。従って、本人の財産の収支内容などを記録しておく必要があります。

専門職の後見人が選任された場合費用はいくらぐらいですか?また誰が負担するのですか?

法定後見人等の報酬は、家庭裁判所が審判により決めます。従って、あらかじめ後見人等の報酬が決まっているわけではありません。さいたま家庭裁判所後見センターでは、「成年後見人等の報酬額のめやす」を公表しています。また報酬は、本人の財産から支払われることになりますので、申立てをした方や親族の方が後見人等の報酬を負担することはありません。

報酬付与の審判書

後見開始の申立てをする場合選任されるまでどのくらいの期間がかかりますか?

先ず、申立てにあたり、必要書類の準備をする必要がありますので、1ヶ月くらい期間が必要と思われます。また申立て後決定の審判がなされるまでは裁判所の事件数、鑑定の要・不要、後見人等候補者の状況などにより、時間を要する場合もあり一概には言えません。多くの場合は2ヶ月以内には選任されているようです。

後見人等になった場合辞めることはできますか?

正当な事由がある場合は裁判所の許可を得て辞めることができます。ただし、実務上、辞任の許可を求めると同時に新たな後見人等の選任を求めなければなりません。従って、一般的には新たな後見人等が選任されるのと同時に辞めることになります。

正当な事由

  • 病気で入院してしまい、しばらく退院できない。
  • 仕事の都合で海外に行かなければならない。
  • 後見人自身の高齢化により本人の支援・保護が難しい。
本人は被後見人等になってからでも遺言をすることができますか?

後見制度は、判断能力が不十分な方等が利用する制度ですので、通常は被後見人等になってから遺言することは難しいというべきです。

一応民法では、被補助人、被保佐人について制限はなく、被後見人については、「一時的に能力を回復した場合などは、医師2人以上の立会いの下」遺言をすることができることになっていますが、極めて例外的な場合に限られます。

なお、この場合でも、後見人が第三者で、その後見人や後見人の配偶者、直系卑属の利益となる遺言をした場合は無効となることに注意が必要です。

後見制度支援信託(預金)とはどのようなものでしょうか。

本人に一定の財産がある場合に、後見人が日常的な支払いをするのに十分な金銭を預貯金・現金として管理し、通常使用しない金銭を金融機関に信託(預金)するもので、本人の財産を適切に保護するための仕組みです。

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後見制度支援信託(預金)について

被後見人になると市の職員として働けなくなりますか?

以前は、成年後見や保佐の制度を利用すると、公務員・医師・弁護士・司法書士等になることができないとする規定がありました。

しかし、令和元年に、法律の欠格条項は本人の人権を害し差別する不当な扱いであるとして、一律に欠格条項が削除され、資格等に相応しい能力の有無を個別的・実質的に審査・判断する仕組みへと改められました。令和3年3月には、会社の取締役等の役員についての欠格条項も削除されました。

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